2015年10月20日火曜日

PIAA 004X スポットランプ


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ここまでフォグランプの事を書いてきたが、取り上げるのはハロゲンバルブ仕様の物ばかりで、HIDのフォグについての話は一切出て来ない。

理由は簡単で、HIDが嫌いだからだ。
嫌いだから買うつもりもない。
その理由を箇条書きにしてみると、こんな感じになる。


1.ヘッドライトにHIDを装着していると思われる対向車が来た場合、十中八九、Loビームでも眩しい。Hiビームのままだと思ってパッシングしてやると、更に強烈な目潰し光線が返って来る。

2.HIDフォグの装着車は、ヘッドライトのHIビームと同じ位眩しいランプがバンパーの両脇でギラギラ光って、とにかく迷惑だ。

3.ハロゲンバルブみたいに、バルブをポン付けしただけでは光らない。というか、ポン付け自体も出来ない。そして、わけのわからない「バラスト」なるものの設置場所も確保しなければならない。

4.バルブが切れた場合、交換用バルブの単価が高い。ハロゲンに比べれば、切れる頻度は少ないようだが、それでもバルブ単体の価格を見るたびに、目の玉が飛び出るようだ。


とまあ、こんなところが嫌いな原因である。

1と2については、「眩しいのは安物中華製だからで、車メーカー純正や、国内ランプメーカーのまともなHIDは違う」という意見もあると思うが、自分もそれはそうだと思う。

但し、問題はその「まともなHID」の装着率だと思う。

実際、今まで走っていて、あの青白い光のランプ(ヘッドライトも含めて)で、眩しくない車に遭遇した記憶が少ない。


遠からずHIDはLEDランプに取って代わられる運命らしいが、それでも、それまでの間はあの眩しいライトに迷惑を蒙り続けるのだろう。

そのLEDにしても、石器人としては「バルブを冷却ファンで冷やさなけりゃならんとは、一体どういうことだね?」と思ってしまうが…。



個人的な考えだが、例えLEDランプが主流になる時代が来たとしても、コスト面で優れ、交換も簡単なハロゲンバルブは「カセットテープ」の様に、しばらくは残り続ける存在になる思う。





ということで、ハロゲンのフォグランプの話である。

折角、まともな配光のFD3S RX-7用純正フォグを手に入れたと思ったのに、フォグ本体が重過ぎて装着出来なかったわけだが、現状装着したままのドーナツ配光ランプに満足できる筈も無く、新たな品を探していた。

で、前回と同じく「アップガレージ」でまた見つけた。



これである。

PIAA 004X
PIAA製004Xランプ。
55WハロゲンH3バルブ仕様で、配光はスポットタイプらしい。本体は非常に軽い。

直径は50mm程で、奥行きは60mmちよっと。値段は4000円だった。

遮光のシェードも付いておらず、点ければ対向車の迷惑になりそうなランプなのだが、これを買ったのは理由がある。


石器人は北海道に住んでいるのだが、冬に車で走っていて困るのが吹雪である。

視界が一面ミルク状になる「地吹雪」と呼ばれる状態になってしまうと、もちろん停まることを余儀なくされる。

が、そこまで行かずチラチラと前が見えたり見えなかったりする状態では、その程度で停まっていたら日が暮れてしまうので、止む無くソロソロと走るわけだ。

で、その際重要になるのが、対向車に自分の位置を知らせることである。

吹雪の中の走行では、昼間でも皆ヘッドライトを点けるのだが、前記の「前が見えたり見えなかったりする状態」になった場合、対向車がLoビームを点けた程度では、直前まで接近しないと、互いの存在を識別できない場合がある。

そういう場合は、石器人はHiビームを多用することにしている。
日中の雪原の中でなら Hiビームにしてもほとんど眩しくないし、何より相手の存在が直前までわからずに正面衝突してしまうリスクを考えれば、非常用の手段としては妥当だと思っている。

昼間の吹雪はそのHiビーム多用でいいのだが、問題は夜間に吹雪いた時だ。

吹雪の非常時とはいえ夜間でのHiビーム使用は、やっぱり対向車にとっては眩しかろう。
眩しいとは思うが、視界不良で正面衝突するよりはマシなので、お互いの幸せの為に「ハイハイ、ゴメンなさいねー」と思いながらも、「緊急時」だからと割り切って使っている。

それはそれで仕方ないとして、夜間に吹雪かれた時にもっと大きな問題となるのは、Hiビームの上向きの光が吹雪で乱舞する雪片に乱反射して、極端に視界が悪くなることだ。


で、そういう状況に適した灯火類があれば便利なのだが、と冬になるたびに思い続けていたわけだ。
そんな中、その昔ダートラをやっていた当時、ラリーに出ていた先達から「吹雪の時はイエローのピンスポットランプが乱反射も少なくて見やすい」と聞いたことがあるのを、ふと思い出したのである。

スポットランプなど、「後付けタイプの補助灯」が絶滅しつつある現在、中々見つけられないだろうと思っていたのだが、あっさり見つかった。
それがこの、PIAAの004Xであった。




点灯してみた。

PIAA 004X点灯中
見た通り、遮光のシェードも何もない。
対向車への配慮はされていないと思われる。

しかし、それでいいのだ。
「厳冬期の夜間の吹雪」という非常時限定で使うものだから。

現物は薄いブルーのH3バルブが装着されているが、イエローバルブに交換すれば、冬も見やすいだろう。




で、配光の写真。

見事なスポット配光
おお!
スポットだ!

見事なまでのスポット配光だ。

外側にも僅かに光は散ってはいるようだが、この程度なら乱反射に苦しむことは無さそうだ。




これはいい物を手に入れた。
イエローバルブに入れ替えて、冬に試してみるのが楽しみだ。

夜間は相手にとっては眩しいだろうから、スイッチはなるべく押しやすい場所、ハザードランプの隣辺りに移設する方がいいかも知れない。

いずれにしても、吹雪等の緊急時限定で使用するつもりである。

ということで、これもまたその時が来るまでは、当分物置にしまって置くことになり、石器車は相変わらず丸型イエロー中華フォグを付けたまま、走り回っていたのである。