北海道の田舎に住んでいるので、車がないと生活できないから石器時代の中古車に乗っている。
石器人の住んでいる地域では、一年の内11月下旬あたりから3月中頃までは運転中に吹雪かれる状況に遭遇する。
昼間に吹雪かれると、ヘッドライトは対向車へ自車の存在を知らせるのが主な用途になるが、夜間の吹雪はこれに照明としての役割が加わる。
この夜間の吹雪で問題になるのが、吹き荒れる雪片にライトの光が「乱反射」して、視界が極めて悪くなることだ。色温度が3300ケルビン程度の純正色のハロゲンバルブでも、ハイビームにしようものなら途端に目の前がチラチラチラチラして、とても前を確認できる状態にはならない。
ロービームにすると雪片への「乱反射」はだいぶマシになるのだが、今度はせっかくハイビームよりは見えやすくなった路面に、純正の白色ハロゲンでは「陰影」がつき難く、やっぱり走り難い。吹雪の時に大事なのがこの「陰影」で、これが路肩や轍、路面のザクザクのささくれ部分等に出来ると、雪が舞っている状態でもかなり走りやすくなる。要は道路の先がどうなっているのか視認しやすくなるのだ。
経験上、ヘッドライトのバルブをイエローにすると「乱反射」が軽減され、路面の「陰影」がくっきりして、かなり見やすくなる。こちらで「地吹雪」と呼ばれる、視界一面真っ白になってしまうような場合はまた別として、激しく雪が降り続いているような状態では、イエローバルブの存在は非常にありがたい。
(※ 平成18年1月1日以降製造車についての前照灯の保安基準変更については、下記の「補足」に記述)
現在、石器人の車のヘッドライト(ハロゲンH4バルブ)に装着可能で、自動車用品店やホームセンターなどで入手出来るイエローバルブというのは、こういうタイプになる。
現在手に入るイエローバルブ |
もちろん、これでも悪くはない。吹雪のチラつきも軽減されるし、路面の陰影も純正色よりは強調される。
しかし、大昔にCIBIEなどの「イエローのガラスカバーが装着されたH4バルブ」を使っていたG3からすると、今ひとつ「黄色味」が足りないのだ。あのカバー付きバルブは無雪路面では暗かったが、積雪路面では抜群に走りやすかった。
そこで、昔ながらの真っ黄色のカバー付きH4バルブは無いのかと探し回ったのだが、HIDやLED全盛の今の時代、とっくに廃番になったらしくどこにも売っていない。
で、仕方なくヤフーオークションで探している内にこんなものを見付けたので、早速衝動買いしてしまった。
H4バルブに被せるイエローカバー |
市販のH4バルブに被せるだけで、昔ながらのイエローバルブになるという物で、値段は2個で2000円だった。
早速手持ちの純正色H4バルブに装着してみた。
装着 |
うーん、付くには付くのだが、すぐ外れそうな感じがする。
事実、この状態から少し力を入れて引っ張ると、簡単に取れてしまう。これでは走行中に激しい振動で外れて、ライトの中に落ちてしまうかもしれない。
で、よく観察してみると
引っ掛かる部分が厚過ぎる |
そこで、写真の赤丸部分(爪が引っ掛かる部分)をニッパー(ラジオペンチでは力が入り難い)などで潰して薄くしてやるとガッチリ固定されて、ちょっとやそっとでは外れなくなった。
外れる心配が無くなったところで、石器時代のダイハツネイキッドに装着してみた。
ヘッドライトに取り付け |
こちらが点灯写真。
ロービーム |
ハイビーム |
現在市販されているH4タイプのイエローバルブに比べると、明らかに黄色味が強い。というより真っ黄色だ。なので、「乱反射」は非常に抑えられ、路面の「陰影」も純正ハロゲンに比べるとかなりくっきり浮き出る。
これで、吹雪の時でも非常に走りやすくなった。
勿論いいことばかりではない。イエローバルブの最大の欠点は、無雪路面では暗くなってしまうことだろう。特に黄色味が増すほど暗く感じられるようで、このカバー装着のタイプに限って言えば、雨で濡れたアスファルト路面などはかなり見難くなる。そのため、石器人は冬季間限定で使用することにしている。
(現在自動車用品店で入手できるH4イエローバルブは3000ケルビン前後と、純正ハロゲンバルブとそんなに変わらない色温度なので、無雪路面でもそれ程暗く感じることはない。但し、吹雪の時の「乱反射」と「陰影」については、色の濃いイエローカバー装着バルブより劣る。)
※ 補足
保安基準の変更で、「平成18年1月1日以降製造の車」の前照灯については、白色バルブ以外は使用不可になった(補助灯は淡黄色OK)。
恐らく吹雪の中を走ったことの無い政治家や役人が決めたのだろうが、寒冷地に住み車を運転する者にとっては「余計なお世話」なのである。
それはさて置き、石器人のネイキッドは「平成18年1月1日」よりもだいぶ前の車なので、イエローバルブを入れても問題は無い。