2016年1月27日水曜日

マレーシア製BOSCH COMPACT 100 コピー品?


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積雪期用のフォグは前回の「BOSCH COMPACT100イエローフォグ」でよかったのだが、雪の降らない時期に使うために、同じ銘柄のクリアータイプを手に入れたいと思っていた。で、ヤフオクで探してみたらあっさり見つかった。

これがそれだ。


BOSCH COMPACT100フォグ コピー?

「製品名は不明」とのことだったが、見た目はどう見てもBOSCH COMPACT100だったので買うことに決定。落札価格は2個セットで1990円!だった。


おいおい、こんなに安くていいのかい?と思いながら届いた品物をよ~く見れば…。ボディの裏側に「MADE IN MARAYSIA」と印刷されたシールが貼ってある…。


アレ?BOSCHの製品じゃないのか?マレーシアの中華資本工場のコピー生産品かい?と思い子細に観察してみると、どうやら本家BOSCH COMPACT100とは微妙に違っているようだ。

樹脂製のボディと遮光シェードはBOSCH COMPACT100と同じだが、リフレクター部分が微妙に違う。本家BOSCH COMPACT100の方はリフレクター面の曲率が変わる箇所でも、それとわからないような自然な連続した面に仕上げてあるのだが、このコビー(以後「コピー」と呼ぶことにする)は曲率が変わる箇所が、くっきりとほうれい線の様に刻まれているのだ。また、シェード取り付け基部の形状も、本家はほぼ円形だがコビーでは楕円形になっている。これが配光にどう影響してくるのだろうか…。


で、早速点灯してみた。


僅かに眩しい気もするが…
対向車側から見ると、本家BOSCH COMPACT100と比べて、ほんの僅か眩しい気がする。黄色光とクリアー光の違いもあると思うが、リフレクター形状の違いもある程度は影響しているのだろうか?


これが壁配光の写真。


本家と似たような配光だが…
配光自体は本家とほぼ同じなのだが、心なしか本家より上下の光漏れが若干あるような気もする。写真の上部の「触角」のような光も本家では出なかった。



但しこれはあくまでも本家と比べて「僅かに差がある」というだけであって、実際に使う分には何の問題も無いレベルの話だ。照射角度さえ適切に調整してやれば、対向車が眩しく感じることは全くない。


これが、石器時代の車に装着した写真。


取り付け方は本家と同じ

で、雪の無い時期に走ってみたのだが、「このランプ、かなり明るいな」というのが感想だ。特に雨降りの夜間などは、濡れたアスファルト路面でもはっきり照らすので非常に走りやすい。コピー?ではあるが、無雪期用のフォグとしては、取り付け方法や明るさ等総合的に考えれば、これがベストかもしれない。







長かったフォグランプ探しの旅も、どうやらこれで一区切りついたようだ。最後にたどり着いた、積雪期用BOSCH COMPACT100と無雪期用COMPACT100コピー?が性能の良い物で本当に良かった。


後は、物置に山と積まれている「丸型イエロー中華フォグ」「楕円イエロー中華フォグ」などのガラクタの始末をどうつけるか、だ。




とは言いながらも、実はヤフーオークションのSTOREでずっと売りに出されている「即決価格2180円の85φ中華(多分)フォグ」が気になって仕方ない。3000円以下のフォグを見つけると無条件に買わずにはいられなくなる石器人の血が騒ぐのだ…。





積雪期はこれで決まりか!?BOSCH COMPACT100 イエローフォグランプ


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長らく石器車にドーナツ配光の丸型イエロー安物中華フォグを装着して乗っていたのだが、真中が暗い上に、上側に盛大に光漏れするこの安物に次第に我慢ならなくなってきた。で、もっとマシなフォグランプは無いのかと探しているうちに、ついにアップガレージで見つけた。

BOSCH COMPACT100 イエローフォグ
BOSCHのCOMPACT100というイエローのフォグランプだ。
H3の55Wハロゲンバルブ仕様、レンズ径は100mmで、傷も曇りも無く程度は良い。値段は2個セットで8000円だった。

このランプだが、レンズカットで配光するタイプでは無く、リフレクターの形状によって配光を行うタイプで、よく観察するとリフレクターが結構複雑な形状の曲面をしているのがわかる。

点灯するとこんな感じ。

シェードの作りも中華フォグより丁寧

一見眩しそうだがそうではない

↑ 下の写真では結構眩しい様に見えるが、そんなことはない。上方向への光はきれいにカットされていて、配光としてはPIAA 610Pに近い気がする。但し、間違って角度を上向きにしても、PIAA 610Pの様にいきなり眩しくなることはない。
対向車には非常に優しいランプと言えるだろう。


で、これが壁配光の写真。

上も下もきれいにカットされている
見てわかるように、上側は無論のこと、下側もきれいにカットされた配光になっている。


この配光の優秀さは吹雪の中を走った時に実感したのだが、例の中華フォグと違って、とにかく乱反射しない。上方向に殆ど光漏れしていないので、雪片への乱反射によるチラつきが非常に少ないのだ。おまけに、中華イエローフォグより濃い黄色なので、雪面の陰影もくっきり浮き出るから走りやすい。

イエローバルブのヘッドライトのロービームでも乱反射してしまうような猛烈な吹雪の時でも、上方の光がスパッとカットされた、このBOSCH COMPACT100だけ点灯すれば、何とか走れるようになる、という状況にも何度か遭遇した(但し、この時は未だヘッドライトにイエローバルブカバーは使用しておらず、市販の色温度3100kのイエローバルブだった時で、イエローバルブカバーにしてからは、ヘッドライトだけでもかなり使用に堪えるようになった)。今更ながら、やっぱり名の通ったメーカー製のフォグは間違いがないな、と改めて認識した。


これが雪道を照らした写真。

かなり明るい
写真でわかるとおり、かなり明るい。ヘッドライトと重複してしまう部分が勿体ないから、正面部分はヘッドライトに任せ、フォグ自体は左右に振り分けて広く左右を照らすようにセットした。この状態でも積雪路面に限って言えば、フォグだけで十分走れてしまう。

ランプ本体は非常に軽く、フロントグリルにステーを介して取り付けても、自重でブレることもない。参考までに、取り付け部の写真を載せておく。

石器時代の車に取り付けた状態

中華フォグのステーを流用

裏側に座金を当てて補強

こんな程度の取り付け方でも全くブレることもなく、支障なく使えている。





積雪期用のフォグとしては、取り付けやすさ、配光など総合的に考えて、今までで一番納得出来る買い物だったと思う。


欲を言えば、無雪期用にクリアーガラスタイプの同じ製品が欲しいところだ。






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2016年1月22日金曜日

排ガス臭いパルサーGTi-R


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BG8Rセダンの車検が近づき、次の車を探していた時に、札幌の中古車屋でまたバルサーGTi-Rを見つけた。前の隙間風パルサーという苦い経験があった為、一度はスルーして別の車を探していたのだが、何故か気になって仕方が無い。隙間風パルサーは早々に手放してしまったから、どんな車だったのかよく覚えていなかったので、改めて2リットル4WDターボの実力を探るべく購入してみることにした。

事故歴は無く程度も良かったが、競技用のベースグレードではない普通の乗用グレードだったため、装備面や静粛性ではなかなか快適な車だった。ただ隙間風パルサーでもそうだったのだが、操作系全般が重い。BG8Rはハンドルもクラッチも軽かったが、このパルサーGTi-Rはハンドルもクラッチもかなり重かった。特にクラッチに関しては、強化クラッチでも入れているのか?と思った程である。

競技にも御無沙汰してすっかりナマクラになっていた石器人がまず最初にやったことは、この重いクラッチのレリーズシリンダーを、踏力軽減のために油圧シリンダー内径を拡大した「ビッグレリーズシリンダー」という物に交換することだった。これによってクラッチの重さはBG8Rと同程度になり、かなり乗りやすくなった。

またステアリングについても、元々が重い上に、径が35φ程度の物に交換すると更に重くなってしまったので、パワーステアリングが無かったAE86トレノ用に使っていた38φのナルディウッドステアリングを引っ張り出してきて付け替えた。


例によって林道に持ち出して走ってみると、中低速のトルクはBG8Rとそれ程変わらないが、上まで回すと確かに速い。SR20DETエンジンは7500回転まで回せるし、車重が1230kgsと、E38Aギャランなどに比べるとかなり軽かったので、加速は確かに良かった。フロントヘビーな車なので基本的にはアンダーステア傾向なのだが、リヤに純正のビスカスLSDが装着されていたため、きっかけを作ってやれば姿勢を変えるのは簡単だった。

その頃になると、一応クラブに籍は置いてあるものの競技に出ることもなくなり、殆ど普段使い+偶に林道走行という使い方をしていたので、ガード類などは装着しなかった。

タイヤは、標準で14インチだったので、スタッドレスを買うときはかなり安かったのを憶えている。

基本的には丈夫な車だったのだが、いつの頃からか暖機運転をしていると、室内が妙に排ガス臭くなってくることに気付いた。

「隙間風バルサー」の件もあるし、事故歴無しということで買ったけど実は事故車で、ボディがどこか歪んでいて隙間から排ガスが入って来るのか?とも思ったのだが、詳細にボディ各部を点検しても修復歴などは見当たらず、どうもそういうことではないらしい。

ただ、ボディを点検中にボンネットを開けてみると明らかに排ガス臭い。排気口はケツにあるのに、ボンネットの中が排ガス臭いというのは、もしかしたらエキパイ接続部からの排気漏れではないだろうか?

ということで、競技車両時代からお世話になっている整備工場に持ち込んでみたら、その見当は大きくは違っておらず、案の定排気漏れだった。但し、漏れた部位は予想とは違い、エキゾーストマニホールドからマフラーパイプに繫がる箇所がステンレスメッシュ?製になっており、そこから排気が漏れているということだった。どうやらこのエンジンの弱点のようなものらしく、部品交換してもらったら室内の排ガス臭は完全に無くなった。

基本的な問題が片付いたので、次にやることは補助灯の装着である。フォグランプ愛好者である石器人は、パルサーに装着できる補助灯を、車購入時から探していたのだが、ある時、自動車用品店でPIAAの610i(※姉妹品PIAA 610P参照)というフォグランプを見つけて衝動買いしてしまった。

これはPIAA 610Pの方

この610iというランプ、パルサーのパンパー下に吊り下げるのに丁度いい大きさで、バンパーの鉄製の中骨にドリルで取り付け穴を開ければ、簡単に装着できた。配光も、上部への光漏れはきれいに抑えられ、横にフラットに広がっているため非常に見やすい。但し、少しでも照射角度を間違えると、対向車にとってはかなり眩しくなってしまうので、慎重に角度を調整する必要はあった。バルブはイエローで、バンパー下から照らすため、吹雪の時は非常に走りやすかったのを憶えている。





ということで、格別の不満も無く乗っていたパルサーなのだが、購入から2年が経ち、車検の時期が近づいて来ると、また別の車に乗りたいという悪い虫が疼き出すのだった。



(続く)  (前回)



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BG8R ファミリア1800ターボ4WD GT-Xセダン


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BFMRファミリアGT-Aeの車検が近づき、そろそろ次の車を買おうか、とぼちぼち探し始めてすぐに、同じマツダの中古のBG8Rファミリア18004WDターボGT-Xセダンを見付けた。

走行距離が少なく程度も良かったのに、不人気車の為かかなりお買い得な価格だったので、すぐに購入を決めた。

このBG8Rという車は、三菱のギャランやスバルのレガシィ、日産のバルサー、トヨタのセリカ等の2リットル4WDターボ車の陰に隠れて目立たなかったが、1.8リットルの4WDターボということで、当時のマツダ車の中ではトップレベルの動力性能を持っていた。

とは言え、競技向けの車両ではない普通の乗用車なので、装備は今まで乗っていた簡素グレードの車とは違い、こんなの必要か?と首を傾げるような物まで付いていた。中でも困ったのが4輪ABSである。


例によって、買ったばかりのBG8Rを林道に持ち出したのだが、早速ブレーキングで恐怖を味わった。石器人がダートトライアルを想定した練習をする際は、コーナー手前までは目一杯の速度を出し、コーナー直前で曲がれるギリギリの速度まで右足親指側でブレーキを踏んで減速し、小指側でアクセルをブリッピングして(踵を使わない縦踏みのヒールアンドトゥ)回転数を合わせ、シフトダウンし立ち上がる、という方法で走っていたのだが、いつものコーナーで、今までと同じ見当でブレーキを踏んでも速度が落ちないのだ!いつもの様に、コーナーを抜けられるギリギリの速度まて落そうと、踏力をコントロールしてブレーキを踏んでも、「機械が勝手に間延びしたポンピングブレーキを行う」状態になってしまい、さっぱり速度が落ちない…。

幸い、広い林道だったので何とか事なきを得たのだが、この一件で「ABS」というものに信用がおけなくなった。当時のABSでは、ダートや凍結路の場合、どう頑張っても「足先のコントロールによるブレーキング」より制動距離が延びてしまう傾向があり、土の上を走っている者達の間では、ABS装着車に関しては「ヒューズを抜く」などしてカットするのが当たり前という状況だった。石器人も、この件については「予備知識」としては持っていたのだが、好奇心から「物は試し」とABSを生かしたまま走ってみたら、案の定怖い目に遭った、というわけだ。


勿論、この後早速ヒューズを抜いて、ダート走行に関しての大きな障壁は無くなった。



で、ABSを殺したBG8Rセダンで適度に林道などを走り回るようになったのだが、この車、エンジンを上まで回せば相当元気に走れる、ということがわかった。エンジンこそ1800ccターボの180psというスペックで、200ps超えの2リットル4WDターボ勢には劣るが、車重が1180kgと、「隙間風パルサーGTi-R」の1230kgに比べても50kgも軽かった。何より、高回転だけは元気だった隙間風パルサーと違い、低中速からトルクがあるので、狭く曲がりくねった林道でも非常に走りやすい車だった。

リヤは純正のビスカスLSDが装着されていたので、ブレーキングやフェイント等、ある程度のきっかけさえ作ってやれば、林道でコーナリング姿勢を作るのは容易だった。ビスカスLSDだから、機械式に比べると緩やかな効き始めなのだが、いざ差動制限が始まってしまえば、後輪を滑らせ続けるのに不自由しない程度の効きはあった。



余談だが、ノーマルタイヤよりやや外径が大きいタイヤを装着していた時、リヤタイヤの片側がパンクして、テンバータイヤに交換して走ったことがあるが、左右で外径が違うタイヤを履いた所為で、リヤのビスカスLSDがハンプ状態になってしまい、「ガコガコガコ…」とものすごい音を出し始めたことがあった。停車して、リヤのデフケースを触ってみたら、火傷しそうなくらい熱くなっている。しばらく休むとデフオイルが冷える所為か、一旦は音が消えるのだが、走り出せばまた今にも壊れそうな音が盛大に鳴りだすので、かなり恥ずかしい思いをしながら騙し騙し走り、パンク修理のために最寄りのガソリンスタンドに駆け込んだことを思い出した。





この車では遂に競技に出ることは無かったのだが、街乗りでは楽ちんで尚且つ速い車でもあったから、普段使いでは不満はほとんど無かった。タービンから出ている排気パイプのボルトが緩んで、ダートラのCかDクラス車両みたいな音が出るようになった、というトラブルはあったものの、それ以外はトラブルも無く、基本的に丈夫な車だったので、何だかんだで都合2年程乗り続けることになってしまった。


不満は無い車ではあったが、いよいよ車検が近づいてきたので、性懲りも無く次の車を探し始めることにしたのだが…。



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2016年1月3日日曜日

隙間風パルサーGTi-R → BFMR ファミリア4WDターボ GT-Ae


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タイミングベルト切れでバルブが曲がり、エンジンが回らなくなったコルディアに見切りをつけて次の車を探していたのだが、札幌の中古車屋で相場よりかなり安い日産のパルサーGTi-Rを見付けて買ってしまった。

当時、土系のモータースポーツで主流になっていた、2リットル4WDターボ車なので飛び付いて買ったわけだが、コレが酷い車だった。



窓をきっちり閉めているにも関わらず、どこからともなく風が吹き込んでくるのだ。買ったのは春だったので、風が入ってきてもそれ程寒いわけでもなく、夏に向かって行く内にあまり気にならなくなったのだが、例によってダートラに出場すべく、手始めにハンドルを交換しようとして、とんでもないことを発見した。

ステアリングコラムから生えているウインカーレバーが「前後」にグラグラ動くのだ…。通常、ウインカーレバーは上下にしか動かさない(石器人は昔から街中では殆どハイビームは使わないので)から、今回ハンドルを外して点検するまでは、前後の動きまでは気付かなかったわけだが…。

このウインカーレバーが前後に動く原因なのだが、前後方向の強い衝撃が加わったようで、根元の固定用ベースの樹脂部分が割れていたのだ。何故こんな場所が割れるのか?と考えてみたのだが、ウインレバーの前にはハンドルがあるから、たとえ事故が起きて上半身がぶつかったとしても(この時代はまだエアバッグは普及していなかった)、ハンドルに遮られてウインカーレバーが破損することはない。考えられる原因としては、ウインカー操作中に衝突事故を起こしたのではないか?ということだ。

そう考えると、車内に吹き込んでくる隙間風も、衝突時にボディが歪んだまま、ろくに修正もしなかったのでは?と思えて来る。しばらく乗っていたら、隙間風はどうやらドアの隙間から吹き込んで来ることも判明した。ドアがきっちり閉まらない程ボディが歪んだ車に乗っていても、この先ろくなことはないだろう。北海道の開拓農家じゃあるまいし、冬に突入したら車内が雪で真っ白になった、などという状況も願い下げだ。





ということで、冬になる前にまた別の車を探し始め見付けたのが、嘗て煮え湯を飲まされた宿敵、マツダの1600cc BFMR ファミリア4WDターボGT-Aeだった。このGT-Aeという車は、マツダがモータースポーツ参加者用に出した競技用ベース車で、フロントグリルにはCBIEのフォグランプOSCARがビルドインされていた(定かではないが、恐らくマツダスピード製のグリルだったかと思う)。当時からフォグランプ好きだった石器人はすぐに気に入って、このGT-Aeを買うことになった。例によって写真は無い。




この車は競技車上がりということで、相場より安い価格で中古車屋で売られていたのだが、事故歴も無く、足回りはラリー用バネとダンパーが組み込み済みで、リヤに機械式LSDと、強烈なペダルの重さのメタルクラッチも装着されていた。

これを競技車に仕上げるべく、ガード類等のパーツ探しをしている内に、当時北海道の貴重なモータースポーツ情報誌でもあった「オートワン」という雑誌の売買欄で、「BFMR用のガード類一式売ります」というのを見付けた。この売り主に連絡を取ってみたところ、なんとこのGT-Aeの前の持ち主だったことが判明。装着したまま売りに出してくれれば手間もかからなかったのに、と思いながらも、これでガード類一式を手に入れて、一応ダートを走れる車としての格好はついた。

で、乗ってみた感想なのだが、エンジンはコルディア4WDに比べると1000回転多く回せる(レッドゾーンは7000回転)し、ターボ車なので以前乗っていた86よりトルクは太い。但し低中速のトルクは1800ccターボのコルディアよりは無い。操縦性はフロントヘビーな感じで、ダートを走れば基本的にはアンダーステアなのだが、リヤLSDのおかげで、きっかけさえ与えればFR的に走ることもできた。

このBFMRにはセンターデフ機構が有ったのだが、プラネタリーギヤ方式という特殊な形式で、デフの中にビスカス等の流体カップリングが入っているわけではなく、ボタンで「フリー」か「ロック」が選べるようになっていた。「ロック」を選ぶと「直結式パートタイム4WD」と同じく、100%ロス無く後輪に駆動力が伝わるのだが、「フリー」にした途端、はっきりトラクションが落ちるのがわかった。

ノーマルデフの左右輪と同じで、センターデフが「フリー」状態で前輪が空転し始めると、後輪に駆動が伝わらなくなるのだ。そのため、ダートや雪道を走る時は、センターデフは常に「ロック」の状態で走っていた。

この車で、再びダートトライアルに出るべく練習を重ねていたのだが、この頃になると競技の主流は既に、三菱ギャランやスバルレガシィ、パルサーGTi-R等、2リットル4WDターボの時代に移り変わってしまっていた。「オートスポーツランド砂川」で地区戦や年に一度の「全日本戦」のダートトライアルが開催されるのだが、そこで走る2リットル4WDターボ車達の圧倒的な速さを見ている内に、これはもう1600ccターボの時代は終わったな、と痛感させられたのもこの頃だったと思う。

時代遅れは承知の上で、それでも林道や河原で練習をしていたのだが、ある日突然、5000回転以上回すとアクセルを踏んでもエンジン回転が上がるだけで加速しなくなった。

所謂「クラッチが滑る」という奴で、メタルクラッチは一旦滑り始めたら、騙し騙し乗ることは難しいらしいので、早速整備工場に持ち込んで新品の「ノーマルクラッチ」Assyに交換してもらった。

ノーマルクラッチに戻して乗り始めた途端、クラッチのあまりの軽さに、知らずに「水の入ってない薬缶」を持ち上げた時のような衝撃を受けたことを今でも思い出す。


クラッチが軽くなって「普通の車」に近くなったBFMRに乗っている内に、「普通の車」ならなんでこんなに「ガーガーゴーゴー」うるさい(防音材は剥がしてあった)んだろう、と思うようになってきた。その頃になると、この型落ちのBFMRで競技に出よう、という気力も薄れて来た時期だったので、ぼちぼちと次に乗るなら「楽ちん」な車でもいいかな、と思い始めていた。



で、BFMR GT-Aeの車検が近づいた或る日、次の車を見付けたのだが…。





(続く)  (前回)




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